この調査が成功した日。
わたしの旦那さまが頼まれていた時間が12時から6時。
ちょっと早目に現場についた彼が、探偵さんと変わろうとした、そのとき。
単身赴任先のアパートから、対象者が出てきたそうです。
運の良いことに、探偵さんの車の助手席に同乗し、調査を見守ることになったんですねー。
対象者が少しでも早くでかけていたり、彼が一人になってから出かけていると、大変な結果になっていたかもしれませんね。
アパートの玄関を出て、少し離れた駐車場の車に乗り込み、対象者が向かった先は、駅から少し離れた場所にあるホテル。
いかがわしいところではなく、1階にレストランやフロントのある普通のホテルですよ。
たぶん、値段的には、ビジネスホテルに近いくらいじゃないか、と思うくらいのって、彼は言っていたのですが。
対象者はそのまま地下の駐車場に向かい、すばやく運転を変わってもらった探偵さんが、車を降りてどこかへ。
対象者についていけるように指示された彼は、対象者から少し離れたところに車ととめ、対象者がエレベーターに乗り込むところを確認したけれど、一緒には乗りこめなかったようです。
対象者を見失った彼が、探偵さんから怒られるのでは?と、不安に思いつつ、仕方なく車で探偵さんを待つことに。
待つこと15分。
探偵さんがキーを手に、戻ってきたのです。
車を降りた探偵さんは、友達が先にチェックインしているから、とフロントに声をかけ、エレベーターに向かい、電話をかけるふりをしつつ、地下からのエレベーターを待っていたのだとか。
対象者とともにエレベーターに乗り込み、同じ階で降り、対象者の入りこむ部屋を確認したうえで、フロントで、“友達と連絡が行き違っていた”として、部屋を指定したうえでチェックインを済ませてきたのです。
今まで、冷え切った車での張り込み調査に比べ、トイレのある暖房の聞いた部屋での張り込みは、ずいぶん恵まれたもののように思いますが、ドアの前で、わずかな音も聞き逃さないように待っているほうが、寒い車の中より辛かった、と言っていました。
自由に大勢を変えられて、視覚での変化を待っている方が、聴覚のみで待つことより、はるかに楽なんだとか。
そうやって聞くと、実体験のように感じられて、わたしまで、身体の痛くなるような気持ちになりました。 |