一番の心配ごと。
旦那さまの探偵独立の夢。
その結果がどうなったと思いますか？

実は、わたしもそんな話しを聞くと、探偵という仕事に興味を持ってしまいますよね。
その後も、ちょくちょく探偵さんのお手伝いをしていました。
たまには、日中も呼んでもらえるようになったりだとか。
彼も持ち帰ってくる話しは、どれもおもしろい。

尾行調査って、浮気だけでなく、営業社員の素行調査もあったりだとか。
世の中、探偵さんにお金を払っている人も、決して少なくはないんだな、なんて思いました。

他には、結婚前の相手の調査。
だいたいが、相手に不満があったり、心配ごとがある場合に依頼してくることが多いそうです。
でも、半分近く、最後まで結果を聞かないうちに、調査終了となったりするのだとか。

相手のことを知って、相手に納得するケースは、ほとんどないそうです。
いろんなことを知り、憤り、結婚を反対したりもするらしいのですが、たいていの場合、娘さんの意思の強さを確認する結果になるのだとか。

反対されると、人間って燃えちゃいますからね。
そこをさらに強く反対してしまうと、今度はその矛先がご両親に向いてしまうのですから。
相手を知れば知るほど、親としては心配ごとが増え、それに比例するように、娘は相手にくっついてしまう結果となる。

よっぽどのことがない限り、その結婚をやめさせるのは難しいそうです。
で、問題の、わたしの旦那さまの独立。
結果的には、かなりの勢いで打ち砕かれてしまいました。

なぜかって？
例えば、探偵学校に通おうと思うと、独立開業コースなんて選択すると百万単位のお金が必要になるし、どこかでノウハウを習うとすると、何年もかかってしまうのだとか。

そりゃそうですよね。
探偵さんなんて、情報屋さんを持っていないと成り立たないし、ちょっと働いた程度で紹介してもらえるような職業でもない。

でも、なにより彼の嫌がったこと。
それは、“自分の足で稼ぐ”ということ。
自分の事務所を開いたところで、“元警察官”とか、法律に詳しいとか、特に強みのない彼が独立したところで、その知名度は低い。
電話帳やホームページで宣伝したところで、それが目につかなければアクセスすらされない。

一番の宣伝は、チラシを作って、なるべく多くポストにそれを配ること。
実は、探偵さんの１ヶ月の主な仕事って、チラシを配ることだったりするんです。
これにはわたしも、ちょっと驚いてしまいました。